秘訣 6:構えも技の要素である

秘訣 6:構えも技の要素である

けん玉の技は、次の5つの構成要素から成ります。
構成要素の説明はこちらにありますので、興味がある方は見てください。

1 「準備動作」: 試技を開始する前の必要な動作
2 「構え」: 試技を直ちに開始できる状態。一時的に体の動きを静止した体勢
3 「予備動作」: 本動作に連動する補助動作で本動作の一部と見なす
4 「本動作」: 技を成功させるための必須の動作
5 「終了」: 技の成功・失敗を判定した状態

上記5つの全てが技の一部だという認識を持つことが上達の秘訣です。

構えの重要さ

動かそうとしているものは何か

けん玉で主に行う動きは、けんを持って玉を上方に動かす、玉をもってけんを上方に動かすという二つです。
けんを持っているとしましょう。
けん使って、紐でつながっている先の玉を動かすわけです。

動きを与えるために使うものはけんです。
そして、コントロールしたいものは紐でつながっている先の玉です。

動かすもの(この場合はけん)と動かしたいもの(この場合は玉)が異なる事に注目しましょう。

けんを使って、玉を思う通りに動かしたい。

この時点で難しいことは分かると思います。
であれば、動かそうとしている時に玉が回っていたり、揺れていたりしている状態では余計に難しい、ということも理解できるでしょう。

動作を行う前に、動作をすることができる状態を作る必要があります。
これが構えです。

まっすぐ上げる

まっすぐ上げるための体の動きは、以前のコラムで記載しました。
ここでは、玉を引き上げる動作までの時間を見てください。

少し待ち時間があるはずです。
まっすぐに引き上げるためには、玉が動かなくなるまで待って始める必要があるのです。

狙った位置に、狙った回転で

2級の技、世界一周です。
動画のように、最初の小皿に乗せた際に、うらふり方向に1/4回転をかけて、玉の穴が自分を向いていることが理想です。

玉を引き上げる動作までに少し時間があると思います。
その時間を使って、狙った位置に、狙った回転数で上がってくるようにしているのです。

ぶれないように

けんの方も見ておきましょう。
1級の技灯台です。

灯台そのものよりも、灯台の動作としてけんを引き上げる動作をするまでのけんの動きに注目してください。

けんを持っている手を放す。
けんをゆっくり下方に下げる。

これらの動作を行うときにけんが回転したり、ぶれたりしていないはずです。

どんな構えが良いのか

まずは玉の動きを止める、けんの動きを止める、この二つから始めましょう。
それから先の構えは、技ごとに違います。

例えば、飛行機、ふりけんは、動きを止めるのとは違った観点からの構えが必要になります。
また、一回転飛行機、二回転灯台と技が難しくなるにつれて、技ごとに違った構えが必要になってきます。

どんな構えが良いのかは技ごと、人ごとにも変わってきますので、一概には言えません。
しかし、この構えが重要であるという点は変わりません。
繰り返しになりますが、構えも技の一部なのです。
構えをおろそかにするということは、けんや玉を動かす動作を行うよりも前の段階で、わざわざ失敗の可能性を高めているという事と同じです。

構えを意識して練習することで成功率が変わってきますし、より難易度の高い技でも対応できるようになってきます。
まずは意識をしてみてください。