秘訣 3:肘、肩、膝を使う

秘訣 3:肘、肩、膝を使う

この秘訣はけん玉で行う動作で使う体の部位についてです。
技によっても変わりますが、動かすのは、主に肩と膝です。
そして、指や手首はなるべく使わない。
特に、玉やけんを上方へ引き上げたり、上方へ投げ上げたりする際には、指や手首ではなく、体が大きく動く部位を使う方が安定します。

けん玉は利き手(けん玉を持っている手)だけを動かすように考えがちですが、利き手だけを動かす選手はまずいません。
玉やけんの動きが安定しないからです。

とめけん、うぐいす、灯台とんぼ返りなどの際に意識して体を大きく動かすようにしてください。
すぐに効果が実感できると思います。

このコラムの結論は以上です。
以下では、体とけん玉の動きについて説明をしていますが、興味のある人以外は見る必要はないでしょう。

体とけん玉の動き

折角なので、もう少し体とけん玉の動きを考えておきましょう。
秘訣2と同様にけん玉ロボット君に登場してもらいます。

 

腕の動き

腕の動きを見ましょう。
肘を支点として腕が動きます。
下の図だと初めの位置から60度ぐらい動かしています。

注意すべきは動き方です。
動かした後の手は、真上ではなく、斜め上に弧を描きながら進みます。

当たり前ですね。

しかし、けん玉ではこの動きを忘れることがあるのです。
どういうことか、とめけんを例にとって考えてみましょう。

けん玉の動き

とめけんは、けんをもって玉を引き上げて、玉の穴をけん先で受ける、という実にけん玉らしい技です。

この玉を引き上げる際に、肘だけで上げたらどうなるのか見てみましょう。

手は弧を描くように動きます。
その手でけんを持っているので、けんも弧を描くように動きます。
玉はけんについている糸に引っ張られて動きますので、こちらも弧の動きになります。

つまり、肘だけで動かすと玉はまっすぐ上がらないのです。

とめけんがうまくできない初心者の方は、このポイントに躓いている場合が多いです。
うぐいすだろうと、灯台だろうと原理は同じです。

上方への引き上げ方

主に肩を使います。
肘はその際に補助的に使う程度としましょう。
指や手首を使って玉を大きく動かすのは難しいので、こちらもあくまでも補助的に使う程度です。

腕の動きが分かったところで、次に進みます。

膝を使う

次は膝です。

しゃがんで、伸び上がる。

これだけです。
これだけで、玉は上方に上がるはずです。
玉がまっすぐ上がらないと思っている方も、必ずこれはできるはずです。

少なくとも、しゃがんだ状態から伸びあがった状態になるまでは、玉は糸によって上方に引き上げられながら、同じ向き(穴が下を向いている状態)を維持しているはずです。

とめけんまであと少し。
伸びあがる際にほんの少し力を加えてあげれば、玉はさらに高く上がります。
そこでけんを下に持って行ってあげれば成功するでしょう。

なるべく大きく体を動かす

体の動きを説明するために、とめけんという簡単な技を使って説明しました。
けん玉で必要な動きは上方への引き上げだけではありません。

玉を上方に引き上げる
玉を前に振る
玉を後ろに振る
けんを前に振る
けんを前に振り一回転させる

それぞれの動きに対して適した体の動かし方があります。
もちろん、引き上げた玉やけんを受けるための体の動かし方もあります。

少しわざとらしい図を使って説明してきましたが、大切なのは図ではありません。

体のどの部位を使えばけん玉がどう動くのか、という点を意識することです。

トップクラスの選手になるためには技に合った体の動かし方を考え、無意識で実施できるようになるまで修練する必要があります。
そこまでいかなくても、上達するためにはやはり体の動きを意識して、コントロールできるようになる必要があります。

そのために必要なことは、技に合った体の動かし方を把握することですが、技ごとに考えていくのは上達してからで良いでしょう。
上達するためには、まず共通の部分を実施できるようにしましょう。

どの技でも概ね共通している体の動きは、肘、肩、膝など大きく動く部位を使う事です。

簡単な技なら体全体を使わなくても技を成功させることができるでしょう。
しかし、このコラムを見ている方は上達したい方のはずです。
簡単な技からでも、体を大きく動かして、体の動かし方を身に付けるようにしましょう。

そのためには、意識をすることです。
意識しなければ身に付きません。
動きを意識すること、これが上達の秘訣です。