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これまでのまとめ
ここまでで、次のことが明らかになりました。
・技とは構え、動作、完成の3つの要素で構成される
・技の構成要素のうち、少なくとも一つが異なれば、異なる技として認識する
・完成の子要素は少なくとも二つある
1.けん、または玉の持ち方
2.けん、または玉の乗せ方(乗せる場所)
・完成の子要素が変われば完成が変わる
・少なくとも14種類の持ち方が存在する
・けん、または玉の乗せ方(乗せる箇所)は26種類存在する
・14種類の持ち方、26種類の乗せ方(乗せる箇所)の対応で合計170個の完成が存在する
・完成は構えになり得る
さてようやく技の数を数えられる条件が整いました。
完成から見た技の数
完成を対象として、技を考えると次のようになります。
・技とは構え、動作、完成の3つの要素で構成される
・技の構成要素のうち、少なくとも一つが異なれば、異なる技になる
・完成の子要素は少なくとも二つある
1.けん、または玉の持ち方
2.けん、または玉の乗せ方(乗せる場所)
・完成の子要素が変われば完成が変わる
・少なくとも14種類の持ち方が存在する
・けん、または玉の乗せ方(乗せる箇所)は26種類存在する
・14種類の持ち方、26種類の乗せ方(乗せる箇所)の対応で合計170個の完成が存在する
よって、完成を変えるだけで170個の技がある、と言えます。
構えから見た技の数
構えを対象として技を考えると次のようになります。
・技とは構え、動作、完成の3つの要素で構成される
・14種類の持ち方、26種類の乗せ方(乗せる箇所)の対応で合計170個の完成が存在する
・完成は構えになり得る
・技の構成要素のうち、少なくとも一つが異なれば、異なる技になる
よって、構えを変えるだけで170個の技がある、と言えます。
さらにまた、それぞれの構えに対して、完成の170個が存在するのです。
技の数の試算
170個の構えがあり、その一つ一つに170個の完成がある。
試算すると次のようになります。
構えの数 × 動作の数 × 完成の数 = 技の数
170 × 1 × 170 = 28,900
この時点で技の数は、28,900です。
動作は固定であるから1としている点に留意してください。
当然ながら、あまり取り組まれない技とか、実現が難しい技も含まれています。
しかし、技としての面白さや技術的なことはともかく、今までの考え方を前提にした場合、確かに28,900の技が存在していると言えるのです。
ここで、動作の変化も考えてみましょう。
上方に投げ上げて一回転させるという動作を加えるのはどうでしょうか。
地球まわしや灯台とんぼ返りで行う一回転です。
すると、単純に動作の数が1つ増えて、2となります。
もう一度試算してみましょう。
構えの数 × 動作の数 × 完成の数 = 技の数
170 × 2 × 170 = 57,800
5万を超えました。
これで、けん玉の技が5万以上あることが説明できました。
すごい数ですね。
57,800は、1日に1つの技をしても、158年とちょっとかかる数です。
1日に10個の技をしても、大体16年ぐらいかかります。
けん玉の技の数は数万程度か
5万以上というのはその時点で途方もない数です。
しかし、まだまだ含まれていない技が多くあります。
むしろ、含まれていない技の方が多い、と言ってよいでしょう。
本に書いてある有名な構えだけでも、つるし、掛け軸、招き猫、やじろべえなどがありますし、そもそも、完成を構えとした検討ですので、大皿持ちで玉を下につり下げた状態、けん持ちで玉を下につり下げた状態などは含まれていません。
動作も前ふり、前ふり、横ふり、うらふり、自由落下、半回転、二回転、うずしお、らせん、空中半回転(宇宙遊泳)、空中一回転(円月殺法)など、様々なものがありますが、まったく考慮していません。
そんな限定した場合でも、5万以上の数です。
今挙げたような構え、動作を加えていくと、軽く何十万、何百万という数になることは想像に難くないでしょう。
よって、数えきれないほど多くの数の技がある、という表現が適切なのかもしれません。
たった一本のけん玉から、途方もない数の技が生み出せるのです。
そして簡単な技にも、かなり難しい技にもすることができます。
この自由さがけん玉の面白さの一つなのだと思います。
おわりに
本コンテンツの目的は、けん玉の技を区別する一つの考え方を示し、その考え方でカウントした場合に、けん玉の技が、少なくとも5万以上あることを示すことでした。
実際に5万以上と計算できましたので、その目的は達成できたと言ってよいでしょう。
そして、5万という数は、むしろかなり少なく見積もられた数であることも示せたのではないかと考えます。
今後、技を検討する時に、参考にしていただければ幸いです。