この記事の目的
上手くなるためには、けん玉を購入する必要があります。
寿命が来た場合は速やかにけん玉を購入し、交換をするべきです。
このコラムは、けん玉の寿命について記載することで、購入者の方の判断基準の一つとしてもらうとともに、けん玉の購入に伴う交渉をスムーズに終結させるための助けになることを目的としています。
認定品のけん玉は一番安いものでも2,000円程度。
気に入った物を買おうとすると3,000円~4,000円程度します。
大人でもちょっと躊躇する金額です。
小学生が自分のお小遣いで買うにはちょっと頑張る必要があります。
けん玉を購入する金額があれば漫画本やTVゲームを買いたい人の方が多いでしょう。
そう考えると、けん玉を入手できるのは、保護者の方や縁のある大人の方に購入してもらう場合か、サンタクロースが届けてくれる場合などになるのではないでしょうか。
1本目が無事に手に入ったとしましょう。
でも、練習をしているとけん玉にも寿命がきます。
次のけん玉が欲しい時に、けん玉の寿命に対する考え方に齟齬があると、けん玉の入手が難しくなる可能性があります。
小学生の例で記載してきましたが、大人でも同様です。
やっぱりちょっと躊躇する金額ですし、追加購入の必要性に疑問を持つ方もいるでしょう。
上手くなるための必需品としてのけん玉。
そのけん玉の寿命について共通認識を持つ必要があります。
けん玉の寿命とは何か
けん玉の素材として、けんの部分はブナ、玉の部分はサクラという木が用いられることが多いです。
堅くて丈夫な広葉樹ですが、使っているとそのうち摩耗したり、塗装が剥げたりします。そして、使用に適さなくなるタイミングが来ます。
けん玉は、滅多なことでは壊れません。
落とした衝撃などで皿の端が欠けることはよくあります。
でも、けん玉を数本持っている人でも、けんや皿胴が折れたり、玉が割れたりしたのを見たことがある人はほとんどいないはずです。
代表はこれまでにけん玉を百本以上使いましたが、折れたのは2本だけ。
しかもその2本は通常の使用ではなく、強引なメンテナンスの時でした。
ですので、皿の縁が欠けることを例外とすると、けん玉が壊れることはほとんど無いと思ってください。
けん玉の寿命は、けん玉が壊れることとイコールではありません。
使用に適さなくなるタイミングです。
まずこれを理解してください。
使用に適さないとは何か
技で失敗が多くなることをこのように表現しています。
あくまでも、日常の練習で失敗が多くてストレスにならないように、級や段位の受審や、地方大会、クラブ大会などで不利にならないようにという観点での判断です。
級段位の試験でも大会でも、ほんの1回の成否が明暗を分けます。
その1回を取り組むけん玉なのですから、状態の良いけん玉を使った方が良いのは自明でしょう。
主にけん先と玉穴付近の塗装で判別できます。
けん先の摩耗
けんの方から見ましょう。
新しいものからいくつかピックアップしてもう少し見やすくします。
3本に絞りました。
左が一番新しく、右に行く毎に古くなります。
剣先の潰れ方が違うことが分かると思います。
一番右は使用に適しません。
けん先が平(たいら)に近づくほど失敗が多くなります。
玉の穴を受ける時に穴の端にけん先が当たってしまう可能性が高くなるからです。
塗装の剥がれ
次は玉です。
右が一番新しく、左に行くほど塗装が剥がれているのが分かると思います。
一番左は使用に適しません。
主に静止系の技に影響が出てきます。
ちなみに、日本けん玉協会の公式大会では一番右でも検査不合格になります。
塗装が少しでも剝がれていたらダメだからです。
使用に適さないものはどうするのか
これまで使用に適さないと記載してきましたが、もちろん使えます。
摩耗した方がやりやすい技もあります。
たとえば、かかしの玉乗り(ボーダーバランスとも言う、玉の上にけん先を下向きにした状態でけんを立てる技)や、たけうま、まさかりなどは摩耗したけん玉の方が取り組みやすいでしょう。
また、空中技は失敗するとけん玉へのダメージが大きいので、使い古したけん玉を使って練習をした方がよいでしょう。
使い道は色々とあるのです。
せっかく入手して、自分が練習してきたけん玉ですので、寿命が来たと言って捨てるのではなく、別の技に取り組んだり、大切に保管したりしてください。
それが購入してくれた方々へのお礼にもなります。
けん先のメンテナンス
けん先は一番摩耗が激しい箇所です。
最初に瞬間接着剤をつけて摩耗を防止することが多いと思います。
特段の理由が無ければ、実施した方がよいでしょう。
分からなければ、こちらの記事を参照してください。
けん玉の調整 – 北小岩けん玉クラブ (kitakoiwa-kendama.org)
摩耗してきたらどうするかですが、ほんの少しの場合は、再度瞬間接着剤をつけましょう。
さらに潰れてきた場合は、やすりで削ります。
削り過ぎてけん玉の高さが変わってしまわないように、先だけを削りましょう。
段々とけん先が鋭角から鈍角になっていきますが、平(たいら)になるよりはやりやすいはずです。
削った後は瞬間接着剤をつけておきましょう。
どの程度で寿命がくるのか
練習している技の種類や、練習量によって違ってきますので一概には言えません。
代表は1カ月~1カ月半程度で一本替えます。
通常の練習に使うけん玉であれば、おおむね2カ月は持ちません。
通常の練習用とストリート技練習用、もしかめ練習用を分けていますが、あまりストリート技を練習していないので、ストリート技練習用は4~5カ月程度。
もしかめ練習用は数年間替えていません。
とは言え、通常の練習に使うけん玉の寿命がきても、そのけん玉を使って空中技や紐を使った技などの練習に使いますので、使わなくなるのは少し先です。