秘訣 2:立ち方、持ち方を意識する

秘訣 2:立ち方、持ち方を意識する

とても大切な秘訣です。

実は、けん玉を持つ動作を見るだけでその人の腕前はある程度わかります。

まるで格闘技のような話ですが、本当です。
ちなみに、空手の立ち方は15種類(極真カラテより)ほどあるらしいです。
何によって使い分けているのか筆者は知りませんが、立ち方が大切であることを示している、とは言えるでしょう。

けん玉の立ち方の種類はそれほど多くはありませんが、とても重要であることは間違いありません。
けん玉の上手い人はフォームが綺麗です。
例外なく、と言っても良いでしょう。

トップクラスの選手のフォームは本当に美しいと言える領域のものです。

このコラムでは、以下の3点を説明します。
①立ち方
②持ち方
③確認する癖をつける

フォームというのは立ち方や持ち方だけで成り立つものではありませんが、綺麗なフォームを作るための最も基本的な要素です。
特に立ち方は、腕前に直結するという点も大切ですが、同時に、ある程度長い時間練習しても体を傷めない姿勢を保つという面からもとても大切です。
ただし、人の体(骨格、関節の可動域、筋肉の付き方など)は、個人差も左右差もあります。
年齢による差もあるでしょう。
つまり、ある人の楽で動きやすい姿勢が、別の人にとってはそうではない可能性があるという事です。

このコラムに書いてある具体的な内容は、ある程度の指針として受け取ってください。
人の体に個人差がある以上は、これという唯一の正解がないという事でもあります。
逆に体を傷めることにも繋がる可能性がありますので、注意をしてください。
そして、繰り返し試してみて、自分で納得できる姿勢を見つけてください。

注意点

小学生は保護者の方が見てあげてください。
40歳以上の方は無理な体勢は控えてください。

①立ち方

前提

けん玉は上下の運動が中心です。
膝を曲げる、そして伸ばす動きです。
この動きがやりやすい姿勢にする必要があります。

足の開き方、位置、重心について以下に記載します。
具体的にどの程度足を開くのか、などは参考と考えてください。

少しでも図のようなものがあった方が良いので、けん玉ロボット君に登場してもらいます。
急ごしらえですが、ないよりはマシでしょう。

 

足の開き方、位置

・肩幅に開く
・けん玉を持つ方の足を半歩前に出す
(右手で持つなら右足、左手で持つなら左足)
・つま先を前方に向ける
(右に開いたり(ガニ股方向に向ける)、左に閉じたり(内股方向に向ける)をしない)

 

あまりお勧めしない立ち方

足を並行に、閉じたままにしてしまう

棒立ちの状態です。
スポーツ経験があまりない方や子供に多いです。
前後、左右、どちらにも動きづらいので、まずはここから脱却しましょう。

足を開きすぎる

こちらは逆に、野球やテニスなどのスポーツをしてきた、割合年配の方に多い傾向があるように思います。
足を開いて腰を落とし、素早く前後左右に動いて次の動作に繋げるための姿勢なのでしょうか。
けん玉は、前後左右よりも、上下の動きです。
足を開きすぎるとうまくしゃがむことができません。
しゃがむ際に腰にも負担がかかります。

足を前に出しすぎる

しゃがんだ時に前に出した方の足に体重がかかり過ぎてしまいます。
また、飛行機やふりけんという前ふりの動きの際に足が邪魔になります。

つま先の向きが右や左に傾いている

前に出した足のつま先が右や左を向いていると、しゃがんで体重がかかった時に足を痛める可能性があります。

重心

やや前重心で、前6、後4程度にする。
前5、後5でも良いです。

上半身

背筋を伸ばしましょう。
前傾で少し猫背のようになっても良いでしょう。

②持ち方

けんの持ち方と玉の持ち方の詳細は、当ホームページのけんと玉の持ち方を参照してください。
ここではけんや玉を持つ際の力の入れ方と位置について記載します。

力の入れ方

かるく、優しく持ちましょう
力を入れすぎると柔軟性が失われて、皿に乗せた際に玉を弾いてしまったり、静止系の技ができなかったりします。
緊張するといつも以上に力が入ってしまいますので、緊張している時こそ基本に戻って力の入れ方を確認しましょう。

持つ位置

胸の位置で持ちます。
顔の位置まで上げるのは高すぎ、ヘソの位置だと低すぎです。
技によって多少違いますが、肘の可動域を考えると、基本的には胸の位置ぐらいが良いはずです。

③確認する癖をつける

立ち方と持ち方を見てきました。
特に目新しいことのない内容かもしれません。

しかし、これがいつもできているのか、という点を考えましょう。
自分が思うよりも足を開きすぎていたり、けんを持つ手に力が入り過ぎていたりするものです。
最初は慣れないので面倒に思いがちですが、確認する癖をつけることが大切です。
いつもと立ち方が違うだけで技の成功率は変わります。
ほとんどの場合は、悪い方向に、です。

いつもと違うのか、同じなのかという点を知るためには、いつもの練習の時から立ち方、持ち方を意識していなければなりません。
必要になるその当日だけ考えても無意味です。
なぜなら、前提となる基準が作られていないからです。

トップクラスの選手たちは、この点を常に意識しています。
そのトップクラスの選手たちですら、大会や競技の際には、緊張もするし、いつもの練習場所ではないために感覚の違いも生じます。
こういった時に、それまでの膨大な練習時間で構築した自分の基準と照らし合わせて、立ち方、持ち方などがいつもと同じなのかを確認します。
もちろん、確認するのはそれだけではないですが、そうやって実力を発揮できる前提条件を整えていくのです。

秘訣として挙げているぐらいですので、とても大切です。
これを疎かにして上達は無いものと考えてください。